学資保険はなぜパパママに人気なのでしょうか?
様々な教育費の準備方法がある中で、今でも7割近いパパママの選択肢として学資保険があがるは当然、明確な理由が存在します。
とはいえ実際、「金融商品としては優秀なのか?」と聞かれると他の金融商品と比較して、説明できる方は少ないでしょう。
今回はファイナンシャルプランナーが、学資保険と銀行預貯金や投資信託などの代表的な金融商品との違いや強み、そして弱みなどを比較して紹介していきます。
学資保険や銀行預金、投信信託、など全ての金融商品に完璧なものなし!
まず大前提として知って欲しい事実は、万能な夢のような金融商品は存在しません!
いつでも現金に戻すのは簡単で、資金が減る心配は一切なく、巨大なるリターンを期待できる金融商品。
そんな金融商品があったら競争なども起きず、全ての消費者である我々だけでなく、金融機関の関係者も自社商品を買わず、その商品だけを買ってしまうでしょう。
学資保険をはじめとした保険商品、証券会社の扱う投資信託、身近な銀行での定期預金も大別すると、全て金融商品という枠組みの中にあります。
銀行の普通預金も金融商品なのです。
必ず強みと弱みの特徴があるのが金融商品といっても過言ではありません。
金融商品の強みと弱みを判断する3つの要素
安全性 | 運用資金が減らないことなど。 |
---|---|
収益性 | 高いリターンが期待できること。 |
流動性 | 必要な時に現金化すること。 |
良く基準として説明するのが上記「安全性」「収益性」「流動性」の3つの要素です。
3つを全て完璧な状態な金融商品はしつこいようですが、存在せず、仮にあるとしたら「いつでも現金に戻すのは簡単で、資金が減る心配は一切なく、巨大なるリターンを期待できる金融商品。」となるわけです。
ローリスク、ローリターン。
ミドルリスク、ミドルリターン。
ハイリスク、ハイリターン。
これはまさにその通りで、収益性に強い金融商品は、安全性と流動性に弱くなります。
逆に収益性をそこそこな金融商品は、安全性も流動性も同じようにそこそこだったりします。
まさにじゃんけんのように、上手く3つの要素が三すくみのように作用しているのが金融商品の特徴です。
学資保険の金融商品としての強み弱みを比較して確認!
ファイナンシャルプランナーとしての意見としては、こと教育費の準備方法として学資保険を考えた時、非常に理に適っており、パパママにとって今なおオススメな金融商品だと捉えています。
それでは収益性、安全性、流動性の観点から1つ1つ見ていきます。
学資保険の金利ってそもそもどれくらいなのか?
まず収益性を比較していこうと思うのですが、銀行金利などと単純比較のようにするためには、学資保険の金利を計算し、銀行金利に換算する必要があります。
返戻率は現在一番人気のソニー生命の学資保険スクエアなどで、107~109%を狙えるかというのが現在の高い水準となります。
105%を超えれば悪くない学資保険なので、契約の仕方なので自身で返戻率を高くしていく時代です。
わかりやすく返戻率110%として、払込保険料総額が200万円、すると受取が220万円となりますよね。これが満期18歳とすると。
20万円÷22年間÷200万円
と計算すると、0.55%という利率が出ます。
この数字を銀行預金などの金利に計算すると、約1.3%という数字が算出出来ます。
計算式はめちゃめちゃややこしいので今回は割愛。
ではこの1.3%という数字を他の金融商品と比較してみましょう。
学資保険と他金融商品の収益性比較
投資信託 | 2~7% |
---|---|
低解約返戻型終身保険 | 1.3~1.5% |
学資保険 | 1.3% |
定期預金 | 0.1~0.3% |
普通預金 | 0.01~0.02% |
※低解約返戻型終身保険はオリックス生命ライズ、学資保険はソニー生命の学資保険スクエア
学資保険の収益性は悪くないというのがまずわかります。
定期預金や普通預金とは比べるまでもなく、投資信託は収益性に重きを置いている金融商品なので流石に軍配があがりますね。
ただ、その分元本割れなどのリスクは当然あります。
低解約返戻型終身保険と学資保険は両商品とも、運用先が日本国債なので、必然的に金利もほぼ同じというのがわかります。
若干低解約返戻型終身保険の方が高いのは、学資保険のように受取時期が限定されず、そのまま据え置きにすることで緩やかに増やしていけるからとなっています。
学資保険の収益性「◎」
学資保険と他金融商品の安全性比較
続いて安全性という観点で見ていきす。
投資信託 | 運用失敗による元本割れなど |
---|---|
低解約返戻型終身保険 | 保険会社の倒産/中途解約時 |
学資保険 | |
定期預金 | 銀行の倒産 |
普通預金 |
学資保険の安全性という意味でのリスクは、低解約返戻型終身保険と同様に保険料の払込期間中の解約をするとほぼ100%損が確定してしまうことでしょう。
逆にいうと解約をせず継続することが出来れば、必ず契約時に決めた学資金を受け取ることが出来るとも言えます。
他には可能性として、保険会社の倒産などのリスクは存在します。
この場合は、減額される可能性が高く、そうならない為にも10年20年と続いているであろう保険会社の学資保険を選ぶことが大切です。
ソルベンシーマージン率や格付けなどもしっかり確認しましょう。
他の金融商品を見ると、同じように銀行の倒産リスクがありますが、預金保険制度により1つの銀行毎に1000万円までの預金は確実に保護されます。
銀行をわけて預けている方はこのようなリスク対策だったりします。
学資保険の安全性「〇」
学資保険と他金融商品の流動性比較
最後3つ目は流動性について。
流動という名称通り、流れて動くということで預けている資金の動かしやすさという意味ですね。
学資保険の弱点はここにあったりします。
妊娠中やこどもが0歳の時から学資保険は始めるパパママが多く、必然的に18年、20年と長期にわたる保険契約となります。
保険料の払込期間も10年、15年、18年とこつこつ毎年支払っていく仕組みです。
投資信託 | 商品により変動 |
---|---|
低解約返戻型終身保険 | 中途解約での損は大きい |
学資保険 | 中途解約での損は大きい |
定期預金 | 中途解約は利益は減るが損はしない |
普通預金 | 自由自在に近いくらい流動性は高い |
と、商品別の流動性評価はこんな感じですね。
学資保険は本当に流動性は低いのが弱点で、極端に現金にするのが難しいと言えます。
祝金や満期時に受取るしか基本となる現金化の出口はなく、契約者の万が一亡くなられたとしても学資金の支払は契約時に決めた期間と固定されています。
自分達で積み立てている資金であることは間違いないのですが、保険期間中は厳密には保険会社の資金となっています。
保険料の支払が一時的に困難な際に契約者貸付などの制度もありますが、低金利とはいえ利息のかかる借入となり、銀行口座のような資金引き出しはまず不可能です。
低解約返戻型終身保険は、同じように中途解約時の損は大きい点で学資保険と同じですが、受取時は柔軟に変更することが出来るのが大きな違いと言えます。
学資保険の流動性「△」
学資保険は良い教育費の準備手段?FPが金融商品としての実力を解説!まとめ
いかがだったでしょうか?
学資保険は、
収益性「◎」安全性「〇」流動性「△」
といった金融商品。
学資保険の弱点である流動性は本来であれば、✖としても良いくらい現金にするのが難しいです。
ただ△としたのには理由があり、この流動性の悪さが教育費の準備方法としてのメリットである「強制力」になっています。
貯蓄の基本は先取りにあり、大きな資産を今から築こうとした時には、まず貯めたいお金の隔離から始めます。
そういう意味では、貯蓄が苦手なパパママや、これから夫婦で教育費を貯めると決めたパパママにとって、「強制的にお金を隔離して自動で貯まる仕組みであり、然るべき時期まで使うのが難しい」という流動性の悪さが大きなメリットとなるのです。
そして契約した時点で中途解約をしないようにするだけで、必ず学資金は確保され、その資金が他の金融商品に比べて増え、安全性も高い。
それが学資保険です。
今まで投資などをしたことがなく、これからも積極的にする予定はない。
現在まだ夫婦で潤沢な資産がない。
上記に当てはまるパパママであれば、まず学資保険という選択肢は間違いではないでしょう。
その際には、まずは家計の負担にならない少額でも良いので、早い時期から始めることが何よりも大切なこととなります。
まずは夫婦の自身の健康状態や生活習慣を顧みる良いタイミングとし、家族の今後のライフプランシミュレーションをしつつ、教育費用の準備手段を学資保険だけじゃなく検討してみると良いでしょう!
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