学資保険は将来の子どもに対して両親が契約して、こつこつと貯めていく金融商品です。
途中で契約者に万が一のことがあれば、将来貰える学資金は確保しつつ、その後の保険料を免除されたりと、パパママに大きなメリットがあり今でも人気な貯蓄方法となっています。
ですが、将来の満期金を受け取る前の段階で残念な話ではありますが、両親が離婚となってしまった場合どうなるのか?
現在学資保険を検討しているパパママにとって、離婚時のことを想定することはほぼないと思いますが、学資保険は立派に財産分与の対象となるので知識として把握しておくことに損はありません。
今回はファイナンシャルプランナーとして、離婚時に学資保険をどうするのがオススメか紹介していきます。
まず知っておきたい!学資保険の離婚時の扱いについて
離婚時には夫婦がそれまで構築してきた財産をわける「財産分与」という、非常に面倒かつ重要な決め事が存在します。
- 不動産
- 貯金
- 有価証券
- 株式
- 家財
- 車
- 退職金
- 厚生年金
などなど、基本的に二人で構築してきたとみなされるものに関しては分与すべき財産として扱われます。
つまり学資保険も当然、夫婦の共有財産としてみなされることになります。
ちなみに財産分与について少し紹介するのであれば、婚姻期間などによって分与割合が変わってきたりしますが、夫の退職金や婚姻期間中の厚生年金に関しても対象となったりもするのでしっかりと財産分与をすることが公平な離婚になります。
ここで注意したいことは、学資保険だけでなく全ての財産分与に関して「離婚日から2年間が請求可能な期間」ということ。
とはいえ、離婚後に財産分与手続きを残すことは滞ることが多く、離婚前や離婚調停時に全て終わらせるのがベストでしょう。
学資保険の財産分与の方法は大きく3パターン!
学資保険の契約時の内容によって、とるべき手続きや財産分与の扱いが変わってくるのですが、基本的にとるべき方法は「解約」と「名義変更」の2つ。
細かくわけると名義変更をしない「そのまま」継続するパターンもあるので、全部で3パターンとなります。
学資保険の財産分与その1「そのまま継続」
まずは手続きの必要のないそのまめ継続するパターンから。
ここでのポイントは親権者となる方と学資保険の契約者が同じこと。この形であれば将来まったく問題ないのでそのままでOKです。
学資保険の財産分与その2「名義変更」
親権者となる方と学資保険の契約者が異なる場合は要注意です!
この場合、詳細は後述しますが名義変更手続きを可能な限り離婚前に済ませておくのがおすすめです。
学資保険の財産分与その3「解約」
これはあまりオススメしない方法ではありますが、途中解約をすることで解約返戻金を分ける方法です。
学資保険の多くは途中解約することで元本割れしてしまうので、払い込んだ保険料に対して損となってはしまいますが、その場で分けることが可能なのでトラブルが起きることはないでしょう。
注意点は離婚後に新たに学資保険に加入をしようとしても、契約者である親の年齢によっては加入できないこともあります。
学資保険のおすすめ財産分与の方法とは?
学資保険の手続きの有無は上記3つの選択肢によって変わりますが、オススメの方法はやはり解約以外の「継続」か「名義変更」となります。
その場合、財産分与でもめないように今後学資保険の契約者として残る方は、相手に相当額の資産や現金を支払う必要があります。
そこでおすすめな方法は、加入している学資保険の保険会社に連絡をして「離婚時点の解約返戻金」を計算して教えてもらうこと!
解約返戻金の半額は財産分与の額とみなされるので、この額を支払うか別の資産で相殺させるなどすることで、解約時同様に綺麗な財産分与が可能となります。
学資保険の名義変更をしないとトラブルのもとに…
学資保険を離婚後にそのままにしておき、名義変更をしないでおくと非常にリスクがあると言えます。
子どものために二人で決めた学資保険ですが、離婚後に勝手に解約して解約返戻金の持ち逃げや、将来受け取る学資金をわたしてくれないなどトラブルは少なくありません。
保険料を払ってなかったことで失効してしまう最悪のケースも考えられます。
離婚後の面倒なトラブルのタネは可能な限りなくしておくのがベストです!
大切なことは
学資保険は契約者のもの!
という事実です。
解約するのも、祝い金や満期金も、解約返戻金も基本全て契約者のものなのです。
保険証券を持っていても意味はありませんし、離婚後に保険料を払っていても契約者が異なっていれば、トラブルの可能性は残ったままなのです。
学資保険の名義人と受取人が違う場合も要注意!!
受取人を親権者に変更しておけば大丈夫!?と考えるかたもいますが、この場合も要注意です。
契約者と受取人は基本的に同一人物であるのが普通で、ここが異なると満期学資金などのまとまった金額の受取時に贈与税の対象とみなされ、受取額の目減りすることもあります。
しっかりと親権者=契約者の形にすることがベストです。
離婚に関わる学資保険の名義変更の方法やベストなタイミングは?
まず学資保険の名義変更の方法ですが、離婚をしたからといって保険会社が自動的に変更してくれません。
親権者となる方が能動的に契約者の名義変更手続きを進める必要があります。
契約者は誰にする
支払いは誰がする
受取人は誰にする
上記3点をしっかりと確認しつつ、トラブルが起きない契約形態に手続きをすすめましょう。
基本的に親権者に全て変更すれば問題ありません。
学資保険の名義変更の手続き窓口は?
コールセンターへの連絡
担当者に連絡
来店や訪問
インターネット
と、保険会社や商品毎に異なるので確認しましょう。
担当者がいる場合は一番簡単かもしれませんね。
基本的には窓口に連絡をして書面取り寄せ後、書面で変更という流れが一般的です。
学資保険の名義変更の必要書類は?
保険会社にもよりますが、以下3つを準備しておけば問題ありません。
保険証券
印鑑
契約者の本人確認書類
保険証券を紛失してしまっても、本人確認が取れればスムーズにいくことがほとんどです。
ここで注意したい重要ポイントが
離婚前に名義変更手続きを行う!
ということ。
学資保険に限らず、財産分与を離婚成立後にやることはトラブルがほぼ生まれるといっていいでしょう。全ての手続きに関しても面倒になり、期間も無駄に伸びることが多いです。
離婚後に学資保険の名義変更に必要な書類は?
離婚後の変更となると少々面倒になり、契約者名義変更を代理人がすすめることになります。
委任状
委任状の印鑑登録証明書や委任者の本人確認書類
委任代理人の本人確認書類
委任代理人の印鑑
ぱっとあげただけで、めんどくさい書類が並んでいますよね。
委任状とそれを証明する書類が必要になります。
離婚後にこの書面を円滑に入手できるような円満離婚であれば離婚前に名義変更がおすすめです。
郵送でのやり取りしたり、離婚後にすすめるとなると非常に面倒な手続きとなるので、必ず離婚前に名義変更はすますこと!
名義変更ができない学資保険もなかにはある!?
ちなみに学資保険の商品のなかでは、名義変更が出来ない学資保険もあります。
有名どころではアフラックの学資保険「夢見る子どもの学資保険」が該当します。
アフラックの学資保険は通常は自動で組み込まれている、契約者の万が一の際の保険料払込免除という保障を特約として設定しています。
この特約を付加した場合(基本的に自動付加)は、将来の契約者の名義変更が出来ないことになっているので注意!
この場合は、離婚時の解約返戻金を財産分与するしかないでしょう。
学資保険の財産分与をスムーズにするためのコツ!
学資保険の財産分与方法は「解約」か「名義変更」の大きく2種類の方法でした。
解約の場合は、離婚時にきれいさっぱり分配できるので問題ありませんが、名義変更含めた契約の継続の場合は、手続き自体や将来にわたってのトラブルを回避する準備をしておくことがオススメです。
手続きに非協力的な状態や、受取学資金を子どもの為に使ってくれるかどうかの不安など、離婚後のトラブルの防止策として「離婚公正証書」が有効です。
離婚公正証書に一筆入れることでスムーズに!
離婚公正証書に書かれたことは法的拘束力を持ちます。
つまり約束事を守らないと強制執行が可能となるので、ちょっとした文言を一筆しれておくことで将来にわたるトラブル防止に有効となるわけです!
離婚公正証書に書いておく文言例
◇名義変更手続きに協力する
◇受取った学資金は子どものために使用する
上記のような文言を離婚前に離婚公正証書に記載することで、学資保険だけに限らずスムーズな財産分与を手助けしてくれるでしょう。
もちろん、自分が親権者の場合も一筆かくことで相手も安心することでしょう。
離婚時の学資保険のおすすめ手続き まとめ
学資保険の離婚時の各種手続きについて紹介しました。大切なのは4点です!
・学資保険は契約者のもの
・名義変更か解約で後々のトラブルを回避
・手続きは必ず離婚前に済ます
・離婚公正証書の活用でスムーズな手続き
とくに学資保険は契約者のもの。ということを忘れないでいればOKです。
トラブルにならないようにしっかりと名義変更手続きなど忘れないでおきましょう!
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